古くから鹿は鹿島神宮の御祭神・武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)のお使いであると言われています。これは国譲り神話で、天照大御神のご命令を武甕槌大神に伝えられたのが鹿の神霊とされている天迦久神(あめのかくのかみ)であったことによります。
神護景雲二年(西暦七六八年)、藤原氏が氏神である鹿島の大神の御分霊を奈良にお迎えして春日大社を送検するにあたり、御分霊を神鹿の背に乗せ奈良へと進みました。
その足跡は、東京都江戸川区の鹿骨(ししほね)鹿島神社を初めとして東海道を三重県の名張まで言い伝えが残されておりこの伝から奈良の神鹿の起源は鹿島に求めることができます。
鹿島の神鹿は長い間大切に保護されており、一時絶えた時期もありましたが昭和三十二年、奈良と神田神社から神鹿を迎え現在の鹿演が開園しました。